メールの山に埋もれつつある承認依頼を抽出して
一括で見られるようにしたい

アイシン・エィ・ダブリュは、経営理念「品質至上」に基づき、開発・生産技術・製造 の枠を越えた体制を整えるのみならず、「ものづくりセンター」を設けるなど、全社を挙げて「革新的ものづくり」を探求し続けています。例えば、からくり人 形の構造にヒントを得て同社が独自に開発した自動搬送装置 「ドリームキャリー」は、シンプルな構造ながら無動力で製品を運ぶことができ、生産設備への投資や運用コストを節約することに成功しました。
こうした姿勢は、情報システムに関しても一貫しています。
「一言で言えば内製志向ですね。情報システムを丸投げしてしまえばブラックボックスになってしまいますから、自分たちが中身を知っておきたい、あるいは手 の届くところに置いておきたいと考えています。そして、それを可能にするために、自分たちがマスターしなければいけない情報技術を少なくする、という方針 を採っています」と、経営企画本部 情報システム部 部長の服部一朗氏は言います。外部ベンダーの協力を得るにしても、ベンダーに任せきりではなく、自ら中身を知った上で明確に方向性を示すというわけです。
服部氏率いる情報システム部では現在、全社ポータルの改善に取り組んでいます。その中の1つとして、Lotus Notes上で運用されている承認ワークフローの使い勝手を高める取り組みが必要でした。アイシン・エィ・ダブリュでは、1995年にNotesを採用し て以来、グループウェアとして社内の情報共有に活用し続けています。今では1000を超えるNotesデータベースがあり、そのうち300あまりが申請・ 承認機能を持っています。これらの承認ワークフロー上では、承認すべき立場のユーザーに対してNotesメールによって通知されるのですが、最近では、そ こに問題が生じつつありました。
経営企画本部 情報システム部 次長の神谷直氏は「さまざまな連絡や伝達のためのメールが増えてきたため、承認依頼など重要なメールを拾い出すのが難しくなってきたのです。導入から10 年以上が経過して、もはやNotesは“文化”といえるくらいに定着していますが、その文化を、そろそろ変えていかねばならない時期にきているようなので す」と説明しています。
その対策として、Notesデータベースから承認依頼案件を抽出、必要なユーザーがポータル上で一覧できるような仕組みを作ることにしたのです。

「フロー図を描くように」開発できて工数がかからない
DataSpiderをNotesからのデータ抽出に採用

Notesからデータを抽出するためのツールとして、アイシン・エィ・ダブリュが選んだのはDataSpiderでした。当時、Notesから大量 のデータを安定して抽出できるツールの選択肢が他にはほとんど存在しなかったという事情もありますが、国内ベンダーの製品でありサポートが期待できるこ と、国内での実績が豊富にあること、そしてコストパフォーマンスなどの面も評価しました。また、同社の技術部門でも同じ時期にDataSpiderを導入 するため評価を進めており「同じ社内なのだから同じ技術を使いたい」(神谷氏)という考えもありました。そして、使い勝手も重要です。
「データ連携を行うには、多くの場合は工数が必要で、コストがかかってしまいがちですが、DataSpiderではプログラムを組むわけではなく、フロー 図を描くかのように手軽に開発できるのです」と説明するのは、トーテックアメニティ株式会社 ICTアライアンス事業部 第1システム部の千葉泰治氏。千葉氏はアイシン・エィ・ダブリュの情報システム部に常駐し、DataSpiderでの開発を担当しています。
DataSpiderを利用したNotes承認案件抽出システムは、2007年8月から開発が進められ、年末にはカットオーバーしました。その背景には、 情報システム部に開発申請を行った上でなければ各部でのNotesデータベース開発ができない規則があるため、情報システム部による統制が行き届いている ことがあげられます。

各部で作成したNotesデータベースにワークフローを含むものが多く、詳細まで理解し改修することには苦労したものの、DataSpiderによるデータ抽出は、さほど苦労なく実現できたと千葉氏は言います。 さらに、約300あるNotesデータベースのそれぞれに対応するのではなく、各Notesデータベースに共通のビューを用意し固定レイアウトとした上でDataSpiderに接続しています。既存/将来を考えると、連携は手間をかけずシンプルにという考えです。短期間での開発完了は、こうした工数削減の工夫と、DataSpiderの開発のしやすさによって実現したのだと言えるでしょう。なお、DataSpiderを使いこなす上では、通常のトレーニングコースを受講した以外、「ほとんどサポートの必要はなく、嬉しい方向に予想外でした」(株式会社アシスト 中日本支社 営業部 課長の西尾光生氏)とのことです。
承認すべき案件を見落とすことがなくなり、
承認漏れや案件探しの時間を削減

承認依頼通知を集約した今回のシステムは社内で「承認くん」と呼んでい ます。
「承認くん」の効果について、服部氏は「氾濫する情報の中から、大事な 情報を素早く選別することができます」と言います。承認をする立場の人に とっては、承認すべき案件を見落とすことがなくなり、承認漏れがなくなったほ か、膨大な数のメールの中から承認すべき案件を探すために費やされていた 時間も不要になるなど、かなりのメリットがありました。
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なお、「承認くん」は、社内ワークフローの流れを左右する存在だけに、もし システムにトラブルがあれば業務を止めてしまいかねません。そのため、2008 年3月にはサーバを冗長化するための再構成作業が行われました。経営企 画本部 情報システム部 第2開発グループのグループマネージャー佐藤健也 氏は「トラブルゼロとはいかないものの、致命的な問題は生じていません」と、 システムが確実に稼働していることを説明します。
効率的に情報を取捨選択できる
新しい文化作りを目指す
現在、アイシン・エィ・ダブリュにおける「承認くん」の社内展開は87%に達しています。
「年度内には100%完了したいと考えています。しかし、ポータルに関しては、未だに目指しているところに行き着いていません。 また、技術的でない部分、特にメールの活用ルール徹底といった部分の問題もあります」と服部氏は言います。メールの書き方などの面で、まだまだ工夫の余地 があるというのです。
「メールが普及してくるにつれて、ビジネス文書の書き方に変化が出てきたように思うのです。しかし、メールの件名で『お知らせ』であることを示すようにす るなど、メールにおいても、いろいろなルールを徹底すれば効率的に情報を取捨選択できるようになるはずです。そのような文化を、改めて作り上げたいと考え ています」(服部氏)
また、DataSpiderに関しても、例えばメイ ンフレームとWebなどオープン系との接続 など、今後さらなる利用拡大を検討している そうです。服部氏は、そうした点も踏まえて、 DataSpiderを次のように評価しています。
「WebとNotesというのは、ちょっと相容 れないところもある関係ですが、その連携に 今回はDataSpiderが役に立ちました。しか しユーザーの視点で言えば、データ連携な ど特に意識しなくても、苦労なく使えるように あってほしいものです。ベンダーは、ユー ザーがやりたいこと、困っていることに対して提案をしてほしいですね。その意 味でいえば、アプレッソはよく対応してくれたと思います。ユーザーは情報シス テムに関して困っていることがたくさんありますから、今後も、いろいろな提案 とアイデアを期待しています」
※この事例の内容は、2008年6月に実施した取材の内容に基づいて作成しています。
お客様情報
アイシン・エィ・ダブリュ株式会社
- 本 社 〒444-1192 愛知県安城市藤井町高根10番地
- 設 立 1969年5月15日
- ホームページ http://www.aisin-aw.co.jp/
DataSpider販売・サポート
株式会社アシスト
- 本 社 〒102-8109 東京都千代田区九段北4-2-1 市ヶ谷東急ビル
- 営業部 TEL:03-5276-5863
- ホームページhttp://www.ashisuto.co.jp/prod/dataspider_s/
Notes データ抽出を短期間で実現し、業務を止めないワークフローを作成