データ連携ツールで開発工数を削減したい
日本ATM株式会社は、その名前が示す通りATM専門のソリューションプロバイダーです。
ここ数年のATMは、同社の製品に限らずWeb化が進んでいます。日本ATMのようにソフトウェアを開発するベンダーや、ハードウェアのメーカーとが協調 し、業界全体で仕様の標準化が行われた結果、今ではWeb 対応のものが主流になってきています。
日本ATMでは、ATMのユーザーインタフェースだけでなく、ATMの保守運用に関連するシステムでもWeb化を進めています。数万台に及ぶATM端末を 含む自動機の保守を支援するために同社が構築・運用している「NMS」(NewMaintenance Systemの略)という社内エンジニア用システムについては、2006年後半からWeb化の具体的検討がスタートしました。
「それまでのNMSは、クライアント/サーバ型の構成で、サーバ側はC言語で作っていました。新しいN M S 、当社では『@N M S 』あるいは『WebNMS』と呼んでいますが、その開発に際しては、開発効率やシステムの品質、メンテナンス性の向上を考えていました。特に、データベー スや他システムとの連携などデータ連携の部分を、コーディングせずに行えるようにしたかったのです」と、ソリューション開発本部 副本部長の吉岡隆徳氏は言います。
バイナリや固定長データにも対応できたのはDataSpiderのみ
NMSは、他の社内システムや保守対象ATMから送られてくる多様なデータを受け取り、データベースに格納して管理しています。このデータ連携部分が、開 発工数削減のターゲットとなりました。ただし、ATMに 特有の条件を満たさねばなりません。ソリューション開発本部 IT統括担当部 社内インフラ担当スペシャリストの菊池貢氏は、次のように説明しています。
「ATMが出力するデータでは、1980年代のパンチカード時代から使われている形式が今でも使われています。当時はリソースを節約することが重視された ため、固定長データや、ビット単位で情報を持たせたバイナリデータの形式も使われています。例えば6桁のエラーコードを3バイトで表すなどの工夫をしてい たのです。データ連携を行うには、そういったデータ形式に対応できるものが必要でした」
ATMならではの固定長やバイナリ形式データに対応したデータ連携ツールとして、日本ATMは最終的に、株式会社アシストが提案したDataSpider を選定しました。
「各種のデータ連携ツールはもちろん、外部のソフト会社に開発してもらうことも含めて、いろいろな方法を検討しましたが、バイナリデータに対応できるもの は他にはありませんでしたね。そんな中で、ataSpiderは、事前にトライアルを行ったところ、きちんと対応できました。また、アシストさんからの手 厚い技術サポートがあったので、初めて使うDataSpiderに抵抗がなく、安心感がありました。」(菊池氏)
基本的にプログラミング不要でデータ連携を行う、という日本ATMの目的に合致したものは、DataSpider以外になかったということになります。
コーディング不要なだけでなく流用も容易。工数は「従来の10分の1か」
@NMSの開発にDataSpiderを採用することが最終的に決まったのは、2007年4月のことだったそうです。DataSpiderを使った開発に は、菊池氏を中心とした3名が携わりました。菊池氏とともに開発に携わっ た、ソリューション開発本部 IT統括担当部社内インフラ担当マネジャーの松本和徳氏は「@NMSの開発は、時間的な都合もありましたし、今後の保守体制などの都合もあって、開発の分 担が行われました」と説 明しています。そこでまず、パイロット的なモジュールを作ってみたところ、すぐに使いこなせるようになったとのことです。
「@NMSが接続する別の社内システムに、サービス要員をディスパッチしたり部品の手配を行う『MOVE』というシステムがありますが、このMOVEで GUIでの開発は経験済みでしたから、あまり違和感なく利用できましたね。むしろ、MOVEでの経験があったから、似たような感触で扱える DataSpiderを選んだとも言えます」と菊池氏は言います。
@NMSは約半年の期間で開発を終え、2007年10月には従来のNMSからの移行が行われました。実際のシステム構築に要した期間は3カ月程度だとのこ とです。このうち、データ連携の部分に関しては、DataSpiderを活用したおかげで工数は大幅削減できました。
「具体的に測ったわけではなく、あくまでも想像ですが、従来のようにコーディングするのと比べたら、DataSpiderは10分の1ほどの工数で開発で きているのではないかと思います。例えば、処理の流れを1つ作ってしまえば、他の処理に応用するのも簡単です。すでに作っておいたフローを流用し、別の データの処理フローを作れるので、非常に生産性が高いのですね」と、菊池氏はその効果を高く評価しています。
また、チームワークにも、DataSpiderは効果を発揮しました。 「フローが一目で分かるので、自分が開発したものでなくても、すぐに内容を把握して流用することができます。今後、新しい要員が加わったときにも、この特 性は役立つでしょう。他にも、バージョンの自動管理などの機能があり、とても助かっています」(菊池氏)
ATM保守を担当するユーザー自身が開発を行える可能性も出てきた
一目で分かるという特徴は、今後の@NMSのメンテナンスにも大いに役立つと期待されています。
「これまでのシステムだと、開発した人が異動で他部署に移ったときには、昔のシステムのメンテナンスは難しいものになりました。しかし、 DataSpiderなら、フローをすぐに分かるので、その心配はなさそうです。新しい要員が入ってきたときでも、既存のシステムを理解でき、手を入れら れると思います」(菊池氏)
保守性の向上だけではありません。開発が容易になったことから、エンドユーザー自身によるシステム開発も期待できます。菊池氏によれば、実際に@NMSの ユーザーであるATM保守エンジニアにDataSpiderを使ってもらったところ、数時間で理解したそうです。
吉岡氏は、DataSpiderの今後の活用について、次のように語っています。
「システムが複雑になるにつれて難しくなってしまいましたが、本来ならシステムを使う人間が自ら作るのが良いと思っています。そこで、社内インフラでは、 システム間のデータ連携が必要とされる場面が多いので、DataSpiderの活用を検討していきます。今後、こういった社内インフラに関してはできるだ け現場でやっている人たち自身で作っていくようにしていきたいですね。そのことは、社員のキャリアパスの自由度を高めることにも繋がるはずですから」
※この事例の内容は、2008年9月に実施した取材の内容に基づいて作成しています。
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株式会社アシスト
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