入れ替わりや価格変化の多い膨大なアイテムを商品マスタデータベースで管理
IT関連商品・サービスの卸売りを中心とした情報関連機器流通業大手のDIS。“顧客第一主義、地域密着”を掲げ、全国約90拠点・14物流センターの“顔の見える”販売網に加え、BtoB電子商取引システム「iDATEN(韋駄天)」や、情報誌「PC-Webzine」など各種サービスを通じて、パートナー販売店の業務を支援しています。このiDATEN(韋駄天)をはじめとする数々の業務システムの最上流に位置するのが、約850メーカーに渡る150万アイテムもの商品情報が登録される商品マスタデータベースです。次々に新商品が登場し、価格の変動も少なくない商品分野ですから、その情報の正確さや鮮度が大変重要なものとなっています。
実績や性能などを考慮してDataSpiderを採用した商品マスタ登録システムを構築
従来、商品マスタデータベースへの登録は、仕入先がExcelなどで作成したデータをメールで受け取り、Accessなどを駆使したデータ登録の仕組みを使って、半ば手作業で行われていました。しかし、作業負担はもちろん、仕入先にとっては進捗状況が分かりにくく、内容確認のやり取りが生じて登録までに時間がかかるなど、いくつかの課題がありました。そこで、登録だけでなくデータチェックや進捗確認などの機能をWebから利用できるシステムへと刷新し、作業効率化や時間短縮を図ることにしたのです。複数のシステムインテグレーターに提案を要請した結果、株式会社CSKシステムズの提案したDataSpiderが選択されました。その理由について、DIS 課長の山田耕司氏は、実績や信頼感に加え性能が大きな要件だったと語っています。「従来は処理件数が多いと1回の登録に20~30分を要することもありましたが、今回は大幅な登録時間短縮を目的としていたのです。高度なデータチェック処理や自動補正処理を多数組み込んだこともあり、最終的には従来比で約5分の1前後、通常の件数ならば数秒~1分弱と現実的な数字に落ち着きましたが、DataSpiderのデモを見て、そのパフォーマンスに期待できると考えたのです」
開発生産性の高さが短期間で高品質のシステム開発に寄与
このシステムは、仕入先向け各種業務サービスとしてWebEDI型で提供している「Order Assist」と、複数に分散していた商品マスタ登録の仕組みを集約統合する形で、2008年に開発が行われました。1月に要件定義を開始、10月には本番稼働を迎えるというスケジュールです。この短期間に品質の高いシステムを作り上げることができたのは、DISやCSKシステムズの開発マネジメント体制はもちろんのこと、DataSpiderの高い開発生産性と使い勝手の良さにあると評価されています。「DataSpiderは全ての操作が直感的にでき、ある程度の知識があればいろいろなことができるという手ごたえを感じました」と、DISの松本幸太氏は言います。
また、DataSpiderを用いた部分の開発を担当したCSKシステムズは、ツールとしての充実度もポイントだったようです。「例えば、Excelからデータを取り込む機能などはDataSpiderが最初から持っているため、テスト工程も簡略化できます。こうした豊富なアダプタがなければ、構築は大変だったことでしょう」と同社 マネージャーの富士岡正彦氏は言います。
自社のみならず仕入先の業務効率向上にも大きな効果
商品マスタ登録システムの開発では、特別な工夫をした点もあるそうです。「データ量が多いことから、処理時間短縮のためDB側に一部のループ処理を分担させるよう開発途中で方針を変更しました。
DataSpiderはメンテナンスも容易なので、そのような柔軟な対応も容易にできたのです」(CSKシステムズ 坂口靖晃氏)。こうした工夫で完成したシステムは、商品マスタデータベースへの登録作業を大幅に効率化しました。現時点では仕入先に順次導入を進めている段階ですが、DISの試算によると、それでも従来の工数から半分以下に効率化できているそうです。また、構築と同時に業務を標準化してワークフローを確立、進捗を可視化したことも大きな効果を生み出しています。「進捗確認は社内だけでなく、仕入先からもできますので、『状況が一目で分かる』と好評です。データ確認にもメールでのやり取りが不要となり、登録までのタイムラグが大幅に短縮されたため、以前より頻繁に更新していただくことも可能になりました」(山田氏)。より品質の高い商品マスタを、よりタイムリーに提供していける環境が実現したのです。今後は、DataSpiderを他の用途にも活用することを考えているそうです。
※この事例の内容は、2010年4月に実施した取材の内容に基づいて作成しています。
商品マスタ登録システム刷新