データ連携機能を自社内で効率的に開発、IT統制強化も実現
セルロース、合成樹脂、メンブレン、有機合成、火工品の5つの柱で事業を展開する樹脂素材等の大手メーカー、株式会社ダイセルでは、以前から独立したデー タベースを用いて主要な基幹系システムのマスターとなるデータを統合管理しています。このシステムは「コード統合システム」と呼ばれ、当システムに入力し たコードを生産・販売系・会計系システム「i-ルネサンス」をはじめとする各基幹系システムへ向けてコードの配信を行っておりますが、これまで使ってきた 配信ツールやサーバの保守切れに伴い、新たにDataSpider Servistaを用いて刷新されました。開発に際しては、まず配信機能のテンプレートを作って標準化し、その上で配信先の各システム担当者が自ら完成さ せる方法を採用、開発の内製化を実現したほか、以前のツールより費用が安く抑えられることから本番系と開発系の分離を行い、IT統制の強化にも役立ってい るといいます。

配信先システムに手を加えず、即時連携・差分連携が可能な配信ツールを検討
ダ イセルでは、2000年問題への対応の一環として会計システムを一新した際にコード統合を実施し、2002年からEAIツールを導入し現在の形に近いコー ド統合システムを運用してきました。このコード統合システムに入力したコードを生産・販売系・会計系システム「i-ルネサンス」をはじめとする各基幹系シ ステムへ向けてコードを配信するしくみです。そのデータ配信ツールやサーバの保守期限が迫ってきたことから、同社ではEAIツールの刷新を検討し始めまし た。
ところが、複数のコアを持つ最近のサーバーへ、これまで使ってきた配信ツールを適用するために、ライセンス費用を見積もったところ大幅に高くなることが判 明、代わりとなるツールが求められていたといいます。「新たなツールを選定する上で重要な要件としては、配信先となる既存アプリケーションへの改修が不要 であること、そして『即時連携・差分連携』ができること。その条件で、配信ツールの候補を検討していきました。」と、ダイセル事業支援センター システムグループ 主任部員の井尾治道氏は言います。コード統合システムでは基幹系のマスターデータを扱っているだけに即時性は必須であり、また扱うデータ量・更新量が多い ことから差分のみ抽出して連携できることが求められていたというわけです。
OracleトリガーとDataSpider Servistaの組み合わせで「即時連携・差分連携」を実現
こ の課題に対し、ダイセルの2000年問題対応やコード統合システムなどにも関わっているシステムプラザ株式会社から提案されたのが、DataSpider Servistaでした。システムプラザ 取締役 兼 コンサルティング部長 兼 流通産業部長の川野泉氏は、その提案の理由を、次のように説明しています。「最初にコード統合システムを検討していた2000年頃にはEAIツールの選択 肢も限られていましたが、しかし近年では日本製ツールの実績が増えており、国内でのサポートという大きなメリットが得られると考え、DataSpider Servistaを推したのです。」プログラミング不要のため社内でも開発が可能であること、配信先へ改修が不要なこと、そして豊富な実績やライセンス費 用の安さなどが評価され、DataSpider Servistaの採用が決まったといいます。
なお、必須条件の一つである「即時連携、差分連携」は、DataSpider Servistaの標準機能にないものの、連携元システムがOracleを使っていることから、Oracleトリガーとの組み合わせで実現しています。 「DataSpider Servistaでは、ライセンス費用が既存ツールの最新版より大幅に下げられるため、本番系と開発系を別々に用意し、分離させることにしました。以前は 費用面から諦めていましたが、IT統制強化のため、ぜひ行いたいと考えていたのです。」(井尾氏)
今後は社内に埋もれているデータの活用を進めていく
新たなコード統合システムの要件定義が終わったのは2010年8月のことでした。その後の開発は、旧システム保守期限の2011年3月までに新システムを 稼働させるべく、ダイセルとシステムプラザが作業を分担し、テンプレートを作って適用していく手順で進められました。システムプラザ側のプロジェクトリー ダーとして、主にテンプレートの開発を手掛けた製造産業部 カスタマーサポートグループの中山和宏氏は、アプレッソのサポートについて、「問合せに対するレスポンスも良く、時差や言葉の壁がない国内なので、やり取 りを進めやすかったですね。」と語っています。
ダイセル側では、このテンプレートを元に各アプリケーション担当者が自らの手で開発をしていきました。テンプレートは実装や運用の標準化を図るためでもあ り、自社開発としたのは緊急時などにも社内で対応できるようにするという意図もあります。こうして、忙しい日常運用の合間でありながら高い開発品質を実現 し、新たなコード統合システムは大きな問題もなく安定した稼働を続けているそうです。この成功を受けて井尾氏は、DataSpider Servistaのさらなる活用を検討しています。「社内には、基幹系の他にも個人で管理しているデータなど埋もれている情報があります。近い将来にはそ れらも取り込んで、『本来の情報系』を作りたいですね。」(井尾氏)
※この事例の内容は、2011年10月に実施した取材の内容に基づいて作成しています。
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【EAIシステムの再構築事例】 DataSpiderを用いて連携機能の標準化を実施「即時連携・差分連携」の自社開発を実現