事業統合に伴ってシステムを整理して完全に再編し、開発も効率化
富士ゼロックスマニュファクチュアリング株式会社(以下、FXMFG)は、富士ゼロックスグループの日本国内にある製造事業会社が統合して2010年4月に発足した会社です。同社では、事業統合に先立つ2008年頃から、基幹系システムの統合を進めてきました。新たな基幹系システムは、これまで別々の事業会社が持っていた既存の基幹系を全廃して一斉に切り替える、いわゆるビッグバン方式で構築されています。この基幹系システムの全面刷新に伴って周辺システムも再構築が行われ、システム間のデータ連携機能も新たに開発されることになりました。FXMFGの鈴鹿事業所では、これまで複雑になっていた連携関係を整理し、基幹系から統合データベースを中継して周辺システムに連携する流れを作り上げ、DataSpider Servistaを用いることで連携機能の開発を大幅に効率化しています。
システム間の関係を整理した上で開発生産性の高いデータ連携ツールを導入
富士ゼロックスグループは、現場の創意工夫を重視し、従業員の能力を事業に生かす風土で知られています。FXMFG鈴鹿事業所の前身であった鈴鹿富士ゼロックス株式会社では、各部署の業務システムも基本的に現場の従業員が自らの手で開発していました。「システム環境は各製造部門に分かれ、部署ごとに部分最適化された状態でした。データ連携についても、それぞれの部署のシステムは独自にインタフェースを作っていて、それぞれが他システムから自分の使いたいデータを取りに行っている、という状態だったのです。」と、FXMFG 人事総務部 鈴鹿人事総務グループ 情報システムチームの渡邉貴史氏は言います。
システムの刷新に際しては、限られたプロジェクト期間の中で効率的に開発するため、こうしたシステム間の関係を整理、システム担当の人員も,全社的なITガバナンスを念頭に各部署から情報システムチームへと集約されました。新たなインタフェースはスター型のアーキテクチャとなり、基幹系とのインタフェースを一本化して統合データベースを新たに設け、そこから各システムへ連携する設計となっています。こうして構成をシンプルにした上で、さらに連携機能の開発を効率的に行うため、開発生産性の高いプログラミング不要な連携ツールを導入することにしました。
DataSpider Servistaで部品を共有化、高い開発生産性や保守性を実現
その連携ツールとして採用されたのが、鈴鹿富士ゼロックス創業当時からのシステムパートナーである中部日本電気ソフトウェア株式会社(NECソフトウェア中部)から提案されたDataSpider Servistaです。「保守契約で日々接している中で、FXMFGの企業風土から『作る』より『使う』ツールがふさわしいと考えて提案しました。」と、NECソフトウェア中部 第四システム事業部 ITコンサルティング部 プロジェクトマネージャーの神谷元樹氏は言います。
特に期待されたのは、高い開発性や保守性です。渡邉氏は、次のように語っています。「アイコンを並べて開発するスタイルは見た目にも分かりやすく、内容をマクロに見ることができます。以前は開発した人がいなくなると保守性が大きく低下していましたが、DataSpider Servistaではそれ自体が仕様書のようなもので、プログラムのレビューも簡単です。」開発メンバーは、この分かりやすさを生かしてスクリプトを共有し、開発の効率化を図りました。その一人、加藤徳司氏は、データ連携の要となる統合データベースを担当して膨大なデータと格闘する中で、「視覚的に分かりやすいDadaSpider Servistaに助けられました。」と言います。また、德田円氏は、「Web系の開発とは違い、DBへのアクセスをサーバに任せられる点が楽ですね。」と語っています。
運用や統制の上でもデータ連携の統合が効果を発揮
FXMFGのシステム構築プロジェクトは2010年11月に完了しました。連携プログラムの開発工数は、事前に想定していた1本あたり4人日に対し、DataSpiderServistaの採用で0.5人日と大幅に短縮され、部品共通化によって開発する本数そのものも減らせたといいます。「他にも仕事がある中でも効率的な開発ができました。鈴鹿事業所は他事業所よりデータ量が多く、データ移行やクレンジングなどに時間がかかり、他事業所から応援の手を借りてきたりもしましたが、それでも自分たちビジネスロジックは自前ので作る必要があります。DadaSpider Servistaは、そこで大いに活躍してくれましたね。」(渡邉氏)
また、以前は主にFTPを使ってスケジュール処理してたため連携元の処理遅れによるエラーが生じたり、逆に待ち合わせ時間を長めに取って機会損失が生じていましたが、これもDataSpider Servistaの導入で解消されました。データ連携を集約したことで連携状況の監視が確実にできるようになるなど保守性も向上しています。「現在、DataSpider Servistaの開発用サーバを新たに導入しています。IT全般統制の観点から、本番系と開発系の分離を進めるためです。システム全体としても、さらに事業所間の統合、標準化を進めていきます。基幹系の統合は、そのためなのですから。」(渡邉氏)
※この事例の内容は、2011年10月に実施した取材の内容に基づいて作成しています。
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